あがり症克服

緊張すると震えたり、汗が止まらなくなる!あがりの症状はこうして起こる!

この記事を読んでいるあがり症の方

舞台本番前、試合開始前、スピーチの前など

だんだんと緊張してくると、足が震えてきたり、お腹が痛くなったり、手が冷たくなったり、汗、手汗が止まらなくなったり。そのような経験がありませんか?

そしていざパフォーマンスをする時になって、その症状は依然と出ていたり、ひどくなったりしてしまうと、パフォーマンスが成功する確率はガクッと下がってしまいます。

わたしがあがりがひどかった時は、

なぜ勝手になってしまうんだ!
変わらないでいつものままでいてくれ!

と必死に願っていました。

 

でも実はこれらは正常な身体の反応なのです。

 

出ないことを望むことは、自分の身体の「正常な機能を否定する」ことになってしまいます。本来は歓迎して上げるべきことなのです。

この記事ではそのようなあがりの身体反応についてまとめました。
この謎を理解するだけでも、本番前の不安はだいぶ和らげることができます。

あがりの身体反応の仕組み

交感神経と副交感神経

交感神経」、「副交感神経」という言葉を聞いたことはありますか?
よく「交感神経優位の時は興奮していて、副交感神経が優位の時にはリラックスしている。」など、記事で読みますよね。

交感神経は、副交感神経とともに自律神経系の1つであり、「意識的に動かせない」内臓筋や、心筋にかかる神経で、内分泌腺の働きを調整する役割を担います。

あがりの身体反応は、この「交感神経」の働きによって起こります。

脳は状況に応じて身体の状態を変えている

大きなストレスのかかる場面になると、脳から指令(ホルモンの分泌)が出て、交感神経が優位な状態に変えます。

つまり「身体の状態を変えてしまう」のです。

なぜこんな神経系が働くんだ!!なにもしてくれなくていいのに!

と、憎らしく思う方もいるでしょうが(私は思ってました)
これも生物として生き残るためには必要な物なのです。

動物としての本能

他の動物を思い出してみましょう

肉食動物は狩の際、獲物に狙いをさだめ、一気に捕獲しに行きます。
この時の集中力、瞬発力は普段群の中でのんびり休んでいる時には生まれません。狩だからこそ生まれます。
パフォーマンスの時にはこれと似たような状態になることが重要です。

草食動物はどうでしょうか。
敵が来た瞬間に一気に興奮状態になり、逃げるための力を生み出します。
のんびりしていて身体が動かなければすぐに捕まってしまいますからね。

このように、動物の体には、自分の本能が重要だと判断した場面に直面するとパフォーマンスを上げるために交感神経を優位にして身体の内部を活性化させるのです。

交感神経の働きによる身体反応の因果関係

緊張して覚醒している時と、リラックスしている時では、身体の状態が違います。
神経系の働きについて、具体的な反応を以下にまとめてみました。

交感神経の作用(興奮時)

・瞳孔の拡大
・唾液は少なくなり、濃度が濃くなる
・末梢血管の収縮
・気道の拡張
・血圧の上昇
・血糖値の上昇
・心臓の脈動促進(心臓がドキドキする)
・消化液の分泌が少なくなる
・消化器官の働きが悪くなる
・皮膚の収縮
・汗の分泌
・膀胱の弛緩

副交感神経の作用(リラックス時)

・瞳孔の縮小
・唾液が多くなる
・末梢血管の拡張
・気道の収縮
・血圧低下
・心臓の脈動抑制
・消化分泌液の増加
・消化器官の運動促進
・膀胱の収縮

あがり症の方々はこれらの反応をみるときっとなるほどと思うことがあると思います。

緊張した時に起こった、「身体の変化」は間違った動きではなかったんです!

なぜあがり症のひとは症状が大きく出るの?

あがる人もあがらない人も、人前でパフォーマンスする際は、基本的に、交感神経が優位な状態で同じです。同じ反応が出ます。

しかし、あがる人はバランスが取れていなく、身体が反応しすぎてしまいます。

症状が大きく出る人は、身体がそのくらい重要だと思っている証拠です。
しかし、実際にはそこまで生命の危機に瀕しているわけではないので、「もっと身体にたいして落ち着いていいよ」と言ってあげなければなりません。

あがりの症状を小さくしていくために

私は、あがりの症状は、

完全に無くそうとせず、自分がコントロールできるところまで小さくしていくこと

が大切だと考えます。

 

そのためには

認知の改善をして余分な不安思考をとる
行動療法をなど通して、模擬パフォーマンスの中で反応を小さくしていく練習をする

などの対策をしていくことが効果的でしょう。

最後に

自分の身体は正常に動いていてくれていると認識しましょう。

パフォーマンスの鍵はリラックスではなく、この覚醒した状態をうまく使えるかどうかにかかっています。

どうせ付き合っていかなければならないのなら、この力、身体の仕組みをうまく利用したいですね!

トレーニング次第でうまく利用できるようになるので、頑張っていきましょう。