9年前の話です。
私は対人恐怖症の1つである「あがり症」を治すために、2年間カウンセリングに通いました。
当時は仙台に住んでいましたが、そこではなかなかいいカウンセラーに出会えませんでした。
知り合いの紹介で良い先生が見つかったのですが、カウンセリングセンターが横浜でしたので、月に1回のペースでしたが頑張って仙台から通いました。
カウンセラーの先生とは過去の嫌な経験や苦い思い出も含めて、
自分の人生をひとつひとつ見つめ直す作業をしました。これはすごくつらいことでした。
しかし、無意識に反応し、あがり症を引き起こしているものが何であるかは自分の記憶と経験から探すしかありません。
嫌な記憶を思い出すと頭痛や発作が起こることもありました。
そうなった時にはカウンセラーの先生と自律神経安定法を行いつつ、身体の反応を抑えながら、自分自身を見つめなおしていきました。
そのカウンセリングの中で、あるとき私は「見たくない事実から逃げる癖」があることを見つけました。
私は20年間「自分の弱さ」を見ることを逃げていました。
私は小さい頃から弱いのは情けないことだと、言われ続けていたので、「もし、自分の弱さを認めてしまったらこの社会で弱い立場になってしまう」と、自分で深層心理に刻んでいたのかもしれません。
「私は本当は弱い」ということを認めた時には、涙がボロボロ流れました。
イメージの中で、自分心のメッキが剥がれ、傷だらけの心が出て来ました。
そして、私は私の中でその心を優しくなでてあげました。
当時自己否定が強かったのですが、これがきっかけで自分に優しくすることができるようになりました。
それからは、不思議と心が穏やかになり、生きるのが楽になりました。
カウンセリングに通うことは自由ですが、自分と向き合うきっかけにはなると思います。
もちろん、自分と相性の良い先生と出会うまでは時間がかかることがあります。私は5人目くらいで、やっとこの人と思える先生に出会えました。
あがり症を治すには心の開放は大切です。カウンセリングは当時学生の私には料金が高かったのですが、それ以上のものをもらえたので、今は通ってよかったと思っています。
つらい時期を迎えている方に、少しでも参考にでもなれば良いです。
HISA


