この簡単ボイストレーニングでは、1日でマスターできるレベルで発声を磨いていきます。
1日目は発声の基礎中の基礎「腹式呼吸」についてマスターしていきましょう!
この記事の概要
腹式呼吸と胸式呼吸について
「腹式呼吸」とは
呼吸に合わせて腹部が膨らんだり収縮したりと、大きく動いている状態をいいます。
すでに知っている方は
「そんな当たり前のこと、、」と思うかも知れませんが、おへそ周りを必死に動かしてはいませんか?
正しい腹式呼吸ができないと全く意味がありません。
もう一度確認するつもりで、ぜひ読んで行ってください。
腹式呼吸と合わせてよく聞くのが「胸式呼吸」です。
胸式呼吸は腹部が動かず、その代わりに胸部が大きく動いている状態です。
なんで腹式呼吸を意識するの?
多くの息を楽に吸ったり吐いたりできるようになる。
腹式呼吸ができるようになると「横隔膜」が自由に動けるようになるので、楽に深い呼吸ができるようになり、肺活量が増えます。
首の周りの脱力がしやすくなる。
胸部の筋肉だけで呼吸をしていると、広頚筋などの「首の筋肉」を過度に使ってしまってしまいます。
横隔膜が自由に広がることで首の筋肉の負担が和らぎ、静かな動きになります。
大きな筋肉を使うことになり、効率よくパワーを生み出すことができる。
人間の身体は、大きな筋肉を使うこと、また、たくさんの筋肉を連動させて使えることで効率よくパワーを生み出せる仕組みになっています。
呼吸の主要な筋肉は横隔膜であり、周りの筋肉はその動きに連動するようにしてあげましょう。
腹式呼吸をしている時のお腹の動き
お腹まわりの筋肉について見てみましょう。
下の画像を見ても分かるように腹筋は
みぞおち〜恥骨まであり、脇腹や背中の方まで回っています。

*画像の青部分が腹部左側
詳しくは別なページに詳しくまとめますのでご覧ください。
https://datsuryoku-life.com/relax-abdominal-muscle/
この腹筋も全体を動かしたり、下腹部だけを動かしたり様々な動かし方ができます。
腹式呼吸ができている時には、身体の内側にある「横隔膜」という筋肉が上下に大きく動いています。
横隔膜の下には内臓があり、横隔膜が下がると(息を吸う時)内臓が下に押されます。

*(萩野仁志著 発声のメカニズムより画像引用)
上から押された内臓は、骨盤の中に入っていったり、骨のないお腹周りに膨らんで表れてきます。

横隔膜が上がると(息を吐く時)内臓も元の位置に戻っていきます。
実際にやってみよう
- 両方のわき腹に手を置きます
- 手を添えている位置よりも下の筋肉(腹筋下部や大臀筋)から収縮、動き出すように意識して収縮させ、息をゆっくり吐いていきましょう
- 息を吐ききったら身体全体の力を一瞬で抜き、勝手に入ってくる空気を感じましょう。
- 2・3をゆっくりと大きく10回繰り返します
- 10回繰り返したら、今度は下腹部に手を当て、その部分から呼吸の動きが始まるように意識してもう10回行いましょう

腹式呼吸の意識するポイント
・顔、首、肩、胴体、足、全ての力を抜いて行いましょう。
・大きく深くゆっくりとした呼吸を繰り返しましょう。
・息を吸い始める時には、力を抜くだけで勝手に息が入ってきます。勝手に入ってくる力を利用して身体を緩め、開いていきましょう。
腹式呼吸ができない時は
「うまくおなかの力が抜けない。。」
その場合は
「四つん這い」または「仰向けに寝た状態」で練習してみてください。
腹筋が身体を支えなくてよくなるため、脱力しやすくなります。
腹式呼吸ができない人は、
“腹筋の脱力”ができていないのが原因です。
腹筋がガチガチのままだと内臓の逃げ場がなく、横隔膜は下がることができません。
腹筋は身体を支える役割もする筋肉なので、立っている状態だど知らないうちに力が入ってしまいやすい筋肉です。
お腹周りをさわりながら脱力し、柔らかい状態を作ってみましょう。
よく間違えられるダメな腹式呼吸
肩を動かさないように固めている
ヴォーカルトレーニングや声楽レッスンを受けてきた人の中で特に多いのが
「肩を動かすな」という指導です。
肩を過剰に動かすことは力みにつながりますが、動かさないこともまた力みにつながっていきます。
肩は胸郭の動きに合わせて自然と動くようにしてあげましょう。
ヘソ付近だけが前後に動いている
お腹を動かすことだけを意識するがあまり、へそ周りが出たり凹んだりしているひともよくいます。
これは横隔膜が活発に動いていますが、その他の筋肉は固まってしまっている状態になっています。
胴体全体が全方向に伸縮するような呼吸を探していきましょう。
最後に
以下の動画はこの記事の読み上げ、具体的な位置の説明です。内容は同じです。
理解の補助になればと思い撮ってみました。参考程度にご活用ください。
呼吸が整うと喉の脱力と声のパワーの両立が可能になります。
歌は呼吸の管理が全てと言っても過言ではありません。
深い呼吸は身体をリラックスした状態に導き、自律神経を安定させるため健康にも良いです。
今日から大きく深い呼吸を習慣にしていきましょう。

