横隔膜とは
呼吸筋の中でも最も大きい筋肉です。
胸腔と腹腔を隔てていて、横隔膜の上には肺や心臓、下には胃、腸、肝臓などがあります。
呼吸法などではとても大事な筋肉です。
横隔膜の観察
横隔膜(正面)

青い色で示されているところが横隔膜です。
肋骨の下部についていてドームのような形をしていて、背骨にも付いていることがわかります。
横隔膜(下から)

この角度から見ると、腹側から背中側まで隅々を膜が覆っていることがわかります。
中心に穴が開いていますが、この穴には動脈や胃などの管が通ります。
骨格を外した横隔膜(正面)

骨格を外して見ると形がよくわかります。
綺麗な山の形はしておらず、
真ん中が少し凹んでいます。
ですので横隔膜の中心よりも二つの山の部分の方が可動域が大きくなります。
横隔膜(横からその2)

背骨と胸郭ラインを引いてみました。背骨のS字に沿って横隔膜が付いています。
横から見ると比較的綺麗な山型になっています。
横隔膜の動き
横隔膜の中心部分は上下に動きます。しかし、単純な上下ではありません。
下の画像では、上に上がっている状態と下がっている状態のおよその位置を示しました。

緑:弛緩状態・横隔膜が上がっている状態(呼気後)
赤:緊張状態・横隔膜が下がっている状態(吸気後)
およその位置とした理由は、腹筋の脱力状態によって胸郭や横隔膜の動きが変わるためです。
上のラインは脱力して、筋肉が協調して動いた場合と考えてください。
動きの方向性
一見上下だけに動きがあるように思えますが、
横隔膜の周りの部分は中心とは逆の方向に向かいます。
動きの方向性を示してみました。

ドームの中心部分が上下するのではなく、横隔膜全体が平たくなると
考えた方が良さそうです。
よく間違う例として
腹式呼吸を意識し、お腹が出すぎてしまうかたがいますが、
上下の方向しか考えていないとそうなってしまいます。
横隔膜は、肋骨の挙上も手伝っているのでそのとおりに動かしてあげましょう。

