喉の力を抜きたいのだけれども、なかなか抜けてくれない。。。
そんな悩みがある方は腕の使い方を見直してみましょう。
「腕と喉は関係ないんじゃない?」と思うかもしれませんが、
腕は、首に近い骨格であり、首の筋肉も一部腕の骨格についています。そのため、腕に力がガチガチに入っている場合、首、そして喉にまでその影響は及んでしまいます。
レッスンでは「うまく脱力できない」「脱力の感覚が生まれない」というケースが度々あります。
その場合の対応策として、
- 姿勢を見直す
- 大きい筋肉から抜いていく
- 抜きたい部分の周りの筋肉の力を抜いていく
この三点を意識すると、変化が生まれやすいので、ぜひ参考にしてみてください。
今回は「喉の周囲の筋肉」である「腕」についてマッピングをし、使い方を見直していきましょう。
小さい筋肉と大きい筋肉の特徴と役割
喉の筋肉は小さい筋肉群でできています。
・声帯の周りの筋肉

・喉頭周りの筋肉

小さい筋肉は
- 筋肉単体で感覚を持つことがほぼできない(大胸筋や上腕筋などの大きな筋肉は伸縮の感覚が分かり易い)
- 大きい筋肉の動きにつられてついていく
という特徴があります。
では、なぜ小さい筋肉がたくさんあるかというと
- 動きのバランスをとる
- 繊細な動きをコントロールする
ために必要だからです。
「走る」「投げる」など動きの方向性は大きな筋肉が担い、
それを補助し、コントロールするのが小さな筋肉の働きです。
大きな筋肉の感覚はわかり易いので、脱力もしやすいです。
小さい筋肉は、単体で考えず、「ひとまとまりの筋肉群」でとらえて脱力していきましょう。
腕の骨格、筋肉を確認してみる
次に腕のマッピングをしていきましょう。
腕の骨格
腕の骨格は胸鎖関節で鎖骨が胴体につながっており、肩甲骨、上腕骨、橈骨、尺骨、そして手の骨で形成されています。
・腕の骨格

・全体の中の腕の骨格(赤枠で囲んだ部分)

以下がよくある勘違いです。
・肩から先が腕の骨格である×
→鎖骨から腕の骨格である○
・肩甲骨は腕とは別物である×
→肩甲骨は肩関節を形成する腕の一部である○
腕の筋肉
腕の骨格に繋がっている筋肉を残してみました。

腕の筋肉は腕の骨格だけについているのではなく、
首、背中、肋骨からもたくさん繋がってついています。
腕の使い方
呼吸をするときの腕の使い方
呼吸筋は腕の骨格につながっているので、腕は柔らかく保つと呼吸もしやすくなります。
胸鎖関節が自由なままで、「鎖骨」、「肩甲骨」が胸郭の伸縮につられて動くようにしましょう。
掌、指の状態について
歌っているときに手はどのようにしていればいいの?
という質問もよく聞かれます。
手は、脱力したときにできる「お椀型」が理想の形です。
グーやパーはこの状態を作る時点で力が入っているので、適切ではないと考えています。
握り拳を強くすればするほど肩、そして首に緊張が伝わっていくので、試してみてください。
腕の付け根である胸鎖関節、肩関節、腕、指まで全てを自由に柔らかく保って歌いましょう。
マイクを持つ時の腕の使い方
マイクは握りしめずにふわっと軽く持ちます。
腕を下ろした状態から、マイクの先が口元に近づいて行くように先導して動かしていきます。手首、肘、肩、胸鎖関節が連動してついていくようにしましょう。
持っている間は胸鎖関節が自由に動ける状態のままで歌いましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。腕は日常生活でもよく使うので、操作しやすい身体の部分です。
しかし、怒ったときや怖いとき、緊張したときに握り拳を作るように、腕は感情が緊張として現れやすい部分でもあります。
腕を柔らかく使い、脱力をコントロールできるように、意識しながら歌ってみてください。

