「呼吸」は普段から無意識に行なっているものですが、意識的にもコントロールができる数少ない運動です。
水泳やマラソンなどの数々の運動では楽にたくさんの空気が取り込めるとパフォーマンスの向上につながりますし、
ヨガや歌では深くまで息を吸うことが基礎として求められるため、呼吸法から学んでいきます。
しかし、先生から「深くまで息を吸って!」と言われても、
自分ができているかわからない
もしくは
深い呼吸をしている時に苦しく大変に感じる人は
間違った身体の使い方をしています。
この記事では呼吸に関する認識を確かなものにするために「肺」について観察していきます。
肺はどのようにして動いている?
肺は筋肉ではないので、自分で膨らんだり萎んだりすることができません。
肺の周りにある「胸郭」が広がったり狭くなったりすることで肺は伸縮することができます。
肺が入っている場所「胸郭」
肺は胸骨、肋骨、背骨(胸椎)で囲まれた空間「胸郭」の中に入っています。
この胸郭のマッピングも大事なので、写真で見てみましょう。
胸郭;前からの写真(青く示した部分が胸骨)


胸骨と肋骨は軟骨で結合しており、柔軟性があります。
胸郭;後ろからの写真(12個の胸椎に左右12本の肋骨が付いています)


この取り囲まれた空間「胸郭」によって肺は守られ、胸郭周りの筋肉が動くことによって呼吸が行われます。
肺がどのくらいの大きさがあるか、自分の身体で示せますか?
自分の胸郭を触ってみてください。
肋骨の1番から触っていき、上に登っていきます。
そうすると鎖骨に触れます。
上の写真を見ていただくとわかるように1番上の肋骨は鎖うしろにまわりながら鎖骨の上まで行きます。
片手を肋骨の一番下、もう片方の手を肋骨の上、首の付け根に当てます。手を体から離してその大きさを見てみてください。
意外と胸郭は大きいと思います。
そして肺はこの胸郭に入っており、鎖骨より上まであります。
写真を見てみるとよくわかります。

両手をクロスして鎖骨に当てて深呼吸してみてください。
ここまで空気が入ってきて
胸郭、肺は膨らみます。
肺のマッピングいかがでしたでしょうか。
最初から理解していた方も、はじめて気づいた方も、改めて確認してみると新しい発見があるかもしれません。
正しい呼吸は自分が楽に感じる呼吸です。この胸郭の空間が上下前後左右、イメージとしては中心から全方向に、無理なく楽に広がっていくことが大切です。
普段の呼吸、スポーツや歌などさまざまな場面で参考にしてみてください。

