ヴォーカル講師のHISAです。
デイリーボイストレーニング【2日目】では呼吸をしている時の身体の動きと発声をリンクさせていきます。
ボイストレーニング1日目に行った呼吸法は、非常に大切なことですが、
発声に応用できないといくら練習しても意味がありません。
ではなく
という状態を目指します。
記事の前半では「声が出る仕組み」について解説していきます。
記事の後半では、簡単に発声しながら練習してみましょう。
この記事の概要
声は息の流れで生み出されることを理解しよう
発声に関わる器官
息を吐く際には、
肺の中の空気が気管支という管を通って喉の方へ上がってきます。
気管支の先には喉頭(喉仏部分)が付いていて、その中に声帯が入っていいます
声はこの「声帯」というところで生まれます。
声帯の形を見てみよう
声帯は粘膜に包まれた筋肉です。弁の形をした二枚の「ひだ」になっています。

声帯断面図

(萩野仁志著 発声のメカニズムより画像引用)[itemlink post_id=”868″]
息が声帯の隙間を通ると声になる
声帯が合わさった状態で息を流すと、息はその細い隙間から通っていきます。
声帯の合わせっている先の部分では小さな回転運動が生じます。
この回転運動でできた振動が音になります。
声は振動である
声は振動です。声を出している時には、声帯は一秒間に何百回も振動します。(音の高さによって回数が変わります。)
声を出しながら息を流し続けて、この振動を途切れさせないことが滑らかな発声に繋がっていきます。
声が振動であることをイメージしやすくするために「リップロール」をしてみましょう。
「リップロール」は唇をぶるぶると震わせる動作のことです。この時の唇の動きは、声帯を振動させている時と同じような動きになっています。
このリップロールは発声練習でとても効果的なので、普段のレッスンでも取り入れています。
呼吸の動きと声をリンクさせよう
ボイストレーニング1日目で行った呼吸法を意識しつつ、声を出していきましょう。
①音をつけずにため息のように脱力した「あー」で発声する
音をつけずにまずはため息のように脱力した(曖昧でぼやけた音の)「あー」で発声していきます。
おなかの動きを気にしながら、
腹部が収縮を始める→「あー」と声が出る
という関係性を作りましょう。
この「息の流れ」と「おなかの動き」の関係性がきちんとできていると
息を吐いている最中におなかの動きが止まったら声も一緒に止まります。
②息の流れを感じて文章を読む
文章(歌詞など)を息の流れを使いながら読んでいきましょう。
この時も音はつけずに朗読のように詩を読んでいきます。
言葉ごとに息が切れないように、注意して息を流し続けましょう。
発声練習で大切に意識すること
発声で大切なことは
「身体の感覚が繊細になる」
ことと
「発声の違いを耳で聞き分けられるようになること」です。
この「筋感覚」と「聴覚」の繊細さは学校教育ではほとんど育まれない能力であるため、
何もしなければ能力が育ちません。
首回りの力が抜ける、声が出やすくなる、喉の締め付けが軽くなる、響きが明るくなる、
など
発声する時には「身体の感覚」「声の変化」を感じながら行うようにしましょう。
身体の動かし方を変えるとこの2つは必ず変わります。どこが変わっているのかを感覚を研ぎ澄ませて分析しましょう。

