母音は大きく分けて「あいうえお」の5つの音に分かれています。
これらの音は、それぞれ舌の形を変えることで作られますが、
そうは言っても、自分の見えにくい部分なのでイメージしにくいかもしれません。
レントゲン写真を見ると、その様子をよく観察できるのでご覧ください。

こちらは「あ」と言っている時に横からレントゲン撮影をした画像です。
どの部分が舌でしょうか?

上の写真で赤く塗られているところが舌です。下顎にすっぽりと格納されています。
自分の舌は鏡で見ると平たく見えますが、見えている部分は「舌」という筋肉の表面だけなのです。
舌は「筋肉の塊」であり、自由自在に形を変えることができます。
そして骨がなくても動ける唯一の筋肉です。
この舌は「あいうえお」と言っている時にそれぞれ違う形をしています。
それでは、母音ごとの形がどうなっているか見ていきましょう。
《※この記事におけるレントゲン写真は、萩野仁志 著 「発声のメカニズム」より画像引用しております。》
「あ」母音の舌の形
「あ」母音の舌の形

舌の形がニュートラルに近い
舌の脱力がしやすい
あくびをした時に「あ」の音が出てくる
「い」母音の舌の形
「い」母音の舌の形

舌が上顎付近まで持ち上げられている
舌の奥の空間が開きやすい
「う」母音の舌の形
「う」母音の舌の形

舌の奥側が持ち上げられている
口の中に広い空間が生まれる
舌の奥の空間は狭くなる
「え」母音の舌の形
「え」母音の舌の形

「あ」と「い」の中間位置
少しだけ前側が持ち上げられる
喉の奥が開きやすい
「お」母音の舌の形
「お」母音の舌の形

「あ」と「う」の中間位置
舌がやや後ろに引かれ、奥が持ち上げられる
口の中に広い空間が生まれる
最後に
いかがでしたでしょうか。発声をするときには、それぞれの舌の形をイメージしながら作ろうとすると舌の脱力がしやすくなります。
喉の開きを感じたい場合は「い」の発声
舌の脱力を感じたい場合は「あ」の発声
がオススメです。参考にしてみてください。

